少林寺拳法とは

少林寺拳法とは?

少林寺拳法は1947(昭和22)年、日本において宗 道臣(そう どうしん)が創始した“人づくりの行”です。

自分の身 からだ 体と心を養いながら、他人とともに助け合い、幸せに生きることを説く「教え」と、自身の成長 を実感し、パートナーとともに上達を楽しむ「技法」、そして、その教えと技法を遊離させず、相乗的なス パイラルとして機能させる「教育システム」が一体となっています。 人間は生まれながらに、どのようにも成長してゆける可能性を秘めています。少林寺拳法は、その可能 性を信じて自分を高め続けられる人、周囲の人々と協力して物心両面にわたって豊かな社会を築くために 行動できる人を育てています。

少林寺拳法の創始の動機と目的

少林寺拳法の創始者である宗道臣は、戦後の混乱のさなか、自身の体験から、リーダーの質によって、 集団や社会の方向性が大きく変わるという真理を悟りました。そして、リーダーシップとは、自信と勇気 と正義感、行動力に根ざすものであると定義付けました。 人が平和で豊かに生きてゆくために、正しいリーダーシップを発揮できる人間を一人でも多く育てよう という“人づくり”の志を抱いた宗道臣は、敗戦直後の混乱で自己を見失いそうな若者たちに、人として 豊かに生きるべき道を説くとともに、身体を鍛え自信を得るのに有効な技法を教え始めました。修練の中 で、道を説いて誇りや信念を引き出し、人が生まれながらに持つ成長の可能性を実感させ、自信と勇気と 行動力を併せ持つ、社会に役立つ人を育てようと創始したのです。

少林寺拳法の沿革

1947年10月、日本の香川県多度津町の自宅で、宗道臣は教えと技法と教育システムを兼ね備えた「人づ くりの行」として、少林寺拳法を創始しました。1951年、宗教法人法に基づき、金剛禅総本山少林寺を開 基。1952年には、後の学校法人禅林学園の前身となる禅林学院が、少林寺拳法指導者の養成機関として、 開設される。1963年、香川県認可の社団法人日本少林寺拳法連盟を設立。組織が全国規模に拡大したこと もあり、1991年、社団法人日本少林寺拳法連盟(現・一般財団法人少林寺拳法連盟)を発展的に解散し、全 国法人の財団法人少林寺拳法連盟を設立。2011年には一般財団法人に移行して、学校・職域などで少林寺 拳法のクラブ活動を展開しています。1972年、国際少林寺拳法連盟が発足。1974年、国際少林寺拳法連 盟を解散し、少林寺拳法世界連合が発足して、2016年4月現在、世界37か国に少林寺拳法が普及していま す。2003年、有限責任中間法人少林寺拳法知財保護法人を設立。2006年、有限責任中間法人SHORINJI KEMPO UNITYに名称変更、2008年、法改正により一般社団法人SHORINJI KEMPO UNITYとして、 少林寺拳法の知的財産を保護・有効活用などを行うことにより、人づくり運動をサポートしています。

少林寺拳法の組織

少林寺拳法グループ

宗道臣によって創始された、「教え」と「技法」と「教育システム」を兼ね備えた“少林寺拳法(SHORINJI KEMPO)”は、一般社団法人SHORINJI KEMPO UNITY、金剛禅総本山少林寺、一般財団法人少林寺拳 法連盟、学校法人禅林学園、少林寺拳法世界連合(WSKO)、の五つの組織によって普及されています。少 林寺拳法グループは、2005年4月に制定した新たな世界統一のシンボルマーク・ロゴの下、各法人・団体 が連携・融和を図りながらその独自性を生かして、世界で一つの“少林寺拳法(SHORINJI KEMPO)”とし て社会教育活動を展開しています。

一般社団法人SHORINJI KEMPO UNITY 1947年に、宗道臣が社会に役立つ人づくりを目指し、「教え」と「技法」と「教育システム」を兼ね備えた ものとして創始した、流派のない“世界で一つの少林寺拳法(SHORINJI KEMPO)”を、今後も守り、正 しく普及し発展させることを目的 に、2003年11月に有限責任中間法 人少林寺拳法知財保護法人として 設立されました。2006年に有限 責任中間法人SHORINJI KEMPO UNITYに名称変更、2008年には 一般社団法人に移行し、少林寺拳 法の知的財産を保護するととも に、有効活用を行うための事業、 また、少林寺拳法の普及・発展に 貢献する団体などに対する支援事 業などを行うことにより、人づく 少林寺拳法総本部 28 り運動をサポートしています。

金剛禅総本山少林寺 金剛禅総本山少林寺は、少林寺拳法による身心一如の修行を基に「自己確立「」自他共楽」の道を究め、 日々の暮らしに生かすという独自の宗風を持つ教団です。 金剛禅は、人間が宇宙の大いなる働きを宿す“可能性の種子”であることを信じ、その可能性を開花さ せながら、お互いを尊重し合い、手を取り合って平和で豊かな社会を実現していこうと説いています。日 本各地のおよそ2,000の道院では、子どもから高齢者まで、世代を超えて楽しく修行にいそしんでいます。

一般財団法人 少林寺拳法連盟 一般財団法人少林寺拳法連盟は、それぞれの地域の公民館、体育館で、スポーツ少年団などの活動や、 幼稚園・小学校・中学校・高等学校・専門学校・大学など、学校のクラブ活動として、また、官公庁、民 間企業など、職域のクラブ活動として少林寺拳法を普及させています。 こういった中で、男女を問わず、誰でも、いつまでも、楽しく、幅広い年齢層で親しめる少林寺拳法を 通じて、豊かな人間性を涵 かん 養 よう し、体も心も養う、「体と心の健康づくり」をしています。

学校法人禅林学園 1952年、少林寺拳法指導者の養成機関として開設された禅林学院がその前身です。これまで少林寺拳法 の教えを教育理念に掲げ、専門学校禅林学園(旧・日本少林寺武道専門学校)や全国における武専コースで の人材育成に力を注いできました。2013年には、禅林学園高等学校を開校し、新たな教育を展開してい ます。

少林寺拳法世界連合(World Shorinji Kempo Organization/略称:WSKO) 日本で創始された少林寺拳法は、1960年代後半ごろから日本国外にも広がり始め、現在では世界37か国 (2016年4月現在)に普及しています。WSKOに加盟している各国連盟および各支部では、少林寺拳法の修 練はもとより、少林寺拳法の教えに共鳴し、さまざまな実践活動(社会貢献活動)にも積極的に取り組んで います。宗道臣という一人の人から生み出された少林寺拳法は、人々の心と心を結ぶ懸け橋となり、世界 中の仲間たちが民族・文化・宗教・言語の違いを越えて友情を育み、四年に一度の世界大会・講習会、各地 域の講習会など、国際色豊かな交流を行っています。